キミの螺旋
そんなあたしの言葉にハルトは反応した。

「ホントに…?一緒に死んでくれるのか…?」

「…いいよ」

「凛…!一緒に死のう…ずっと一緒にいよう…死んでも一緒に…」

そう言ってハルトは泣きながら、あたしを抱きしめた。

スゴく強く…大切そうに抱きしめた。



…ああ…そっか…

ハルトも生きてるのが苦しかったのかもしれない…

ずっと逃げたかったのね…


初めてハルトを理解した気がした。

愛してはいないけど…ハルトの気持ちに触れて切なくなった。

多分─これが本心でハルトの真実


ハルトは急いでレンタンと七輪を買ってきた。

多分…苦しくないと思うからって

あたしは…不思議と怖くなかった。

こんな…螺旋状の運命から逃れられる事に
安堵していたのかもしれない…

唯一後悔してるのは




もう藤紀に会えない事

もう二度と会えなくなるんだったら

好きだって言えば良かった…

──そう…あたし…



  …藤紀が好き…



 会いたい
  会いたい
   会いたい…

今すぐに

一秒でもいいの

『ゴメンね』って
『好き』って

伝えたかった…な…


そしてハルトはレンタンに火をつけた…
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