キミの螺旋
ハルトも睡眠薬を飲んで
あたしの隣に横になって、最期の時が訪れるのを静かに待った。

やがて眠るまで…ハルトは呟いていた。


「…俺は…何の取り柄もないガキだった…

中学の時…好きになった家庭教師…

…俺達はすぐに付き合い出して…

…だけど…初めての恋愛をうまく続ける事ができなくて…

でも…それにガキだった俺は…
彼女が苦しんでる事に気付かない…

一人よがりで…自分勝手な事ばかりして…
いい気になっていた…高校生の時…

…彼女が…死んだ…

事故だったけど…あんな時間に…車道なんか歩いてるハズないんだ…
…後で彼女が妊娠してたって…わかった…

間違いなく…俺の子供で…俺が二人を殺したんだと…思った…

…どんなに後悔…しても…二人は戻らない…

俺は二人に…彼女に償う為に…稼ぎ…

…だけど…凛を好きになって…新しい人生を…凛と生きたいって…思ったのに…

やっぱり苦しくて…

こんな気持ちから逃げられなく…て…



…凛…ゴメン…愛して…る…幸せにできなくて…ゴメ…ン…な…


もうすぐ…何もかもが終わる…

最期にハルトを知る事ができて良かった

少しだけ

それが嬉しかったの…
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