キミの螺旋
トクン…

…トクン

トクン…

…トクン…


今はまだ感じる自分の鼓動

やがて終わる時までのカウントダウンを聞いているみたい…

─もう終わる

─すぐに終われる…

あたしの両親が殺されているのなら…きっともうすぐ会える…ね…

でもきっと…こんなあたしは天国に行けないね…

汚い身体は
死んでも汚いままだよね…



サラに…会いたいな…


怒るかな…うん…めちゃめちゃ怒るよね…



大好きだったよ…

サラも

藤紀も


もう一度会えたら…好きって言うのにな…








  『凛!!!!』





─サラの声がする…


幻聴かな…
そっか…最期の時が訪れたんだ…

あんまり…苦しくない…ね…





『凛!!起きてよ!目を開けて!ふざけんな!死んだら許さないからな!』


あたしはうっすらと目を開けた…

あれぇ…サラがいる…


やっぱり怒ってる…
ふふ…思った通りだ…

『ダメ!眠っちゃダメだってば!凛のバカ!!』



相変わらずだな…
最期にまた会えて良かった…


「サラ…大好き…だよ…」



言えて良かった…



そしてあたしの意識は薄れていった…
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