キミの螺旋
しばらく、あたしは高熱を出した。

熱にうかされて
思考がまとまらない

死んでしまえたら楽だったのに

とも

生きてまたサラに会えて良かった

とも思うけど…


あたしは疲れていたのかもしれない


「あんな異常な状態だったんだもの、気が緩んで熱が出たのよ。もう少し休んだら…またきっと元気になるわ」

サラが毎日来て、そう励ましてくれていた。

「…ん」

あんまり返事をする気力が湧かなかった。

やっぱりこのまま熱が続いて死んでしまう気がした。

神様にも
『お前なんか生きる価値もない』

って言って見捨てられた気がする…




だって
…藤紀が来ないの


もう嫌われたんだ…
あたしの事、もう見捨てちゃったんだ

当然だよね…

それでも…夢でもいいから会いたい…な…



『凛…』


藤紀…手を握ってて…

『うん…ゴメンな…遅くなって…』

あたしの方こそ
ごめんなさい…嫌な子だよね…


『ずっとそばにいるから…キミを守るから』

あたしもずっと藤紀のそばにいたいよ…



   好き…


ホントは好きだった…ずっと前から藤紀を知っていて

一緒にいた気さえするの…
もう離れたくないよ…
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