キミの螺旋
「あっ…ヤバい、目…覚めちゃった?」

「と…藤紀?」

これは夢の続き…じゃないよね?

「うん」

よく見ると、藤紀があたしの左手を握ってる

夢じゃなかったの…?

「もしかして…さっきから居た?」

「最初から。ずっとそばに居たよ」

「もしかして…あたし寝言言ってた?」

「えっ、アレ寝言?返事してたよ」

えーと…つまり実際に会話が成立してたの?イヤイヤイヤ…それよりも!

じゃあ…アレは…

「もしかして…今キスした?」

「…………うん」

藤紀は照れながら答えた。

「…あたしの事…好きって言った?」

「…うん」

「あたしの事…」

夢だと思って聞いたセリフが本物だったか確かめたくて、あたしは全部聞き返した。

それが悪かったらしい…藤紀は恥ずかしかったのか途中で怒っていた。

「全部言わなくていーよ!オレはね、凛が好きなんだよ!」

「藤…」

「'好き'って言われて…嬉しかったし、凛にキスしたくなったから勝手にしちゃったの!ハイすいません!こうなったら何度でも言ってやるからな!」

「えっ?」

そう言うと、藤紀はあたしに抱きついた。

「好きだよ!もうずっと前から…」
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