キミの螺旋
それから数日たって、あたしの中の記憶もかなり融合されてきた頃

熱も下がり体調も良くなってきた。
明日には退院できるって言われて嬉しかった。

それは嬉しかったんだけど…みんなに迷惑かけた事が、かなり気になっていた。

サラだってまだ精神的に不安定だっただろうし、藤紀も同居人二人が相次いで入院なんかして大変だったと思うし…バイト休んでママにも、店のみんなにも迷惑だったと思うし…

退院したらとりあえず店に挨拶しに行かなきゃ…

実はそれくらいの事で済むと思っていたけど、病院の外では大変な事になっていた。



午後サラが病院に来たので、あたしは退院の話をした。

「あ、うん聞いた…」

だけどサラはあんまり嬉しくなさそうだった。

理由がわからずに不安に思っていたのが顔に出ていたらしい…
サラはそれに気付き、慌てて訳を話してくれた。

「ゴメンね…実は…ハルトの家に入る時、マンションの管理人に鍵を開けてもらったんだけど…あの有り様だったでしょ?管理人が…警察に通報しちゃったのよ」

「え?そ、そうなんだ…」

「それでね…これから話しを聞きに刑事さんとか来るらしいのよ」

「…あたしに?」

「うん…」
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