キミの螺旋
呼び出し音が鳴る。

一回
二回
三回…

あたしはお義母さんが出る事を祈っていた。

何度目かで受話器の上がる音が聞こえた。

「ハイ…もしもし?」

「お、お義母さん…」

あたしは少しホッとした。

「凛!?凛なの?!」

「…うん…」

「今までドコに行ってたのよ!親に心配させて…あなたはまだ高校生なのよ!お父さんがどれだけ心配してたか…わかってるの!?」

「ご…ごめんなさい」

あぁ…憂鬱になる。
わかってたよ?
そんな風に言われる事くらい。

普通に考えたらただの家出娘だもん。

ホントの事は言えないけど
あたしがあの家に居る事は限界だった。

でも仕方ない
あたしは今の住んでる場所や同居人の事なんかを話した。

それから…言いにくかったけど、あたしが監禁されて死にかけた事も話した。

警察から連絡がいくと思うし…黙ってたってしょうがない。

もちろん、お義母さんは怒った。そして…心配してくれた。

「身体は平気なの?ホントにあなたって子は…」

「大丈夫…本当に平気だから」

心配してくれた事は嬉しかった。血の繋がりがなくても『親』なのかなって思った。

あと…気になってる事をあたしは聞いた。
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