キミの螺旋
どう思い出しても〈初老〉って感じのオジサマだった。

一体…何歳離れてるの?40歳くらい!?

「あの人と…サラが?!」

あたしはビックリして言葉に詰まった。
色んな事を想像しちゃう。

親以上歳が離れてる人が恋人なんだ
どうやって知り合ったのかな
どんな付き合い方してたのか…なんて。

そんなあたしの想像とはまた違う、サラは恋バナを話してくれた。

「ビックリしたでしょ?」

「う、うん…」

「いつもビックリされちゃうんだけどね。彼は私の初めてのお客様だったの。それで好きになって…付き合い始めたの」

「うん」

「その頃私はママのトコに居候しててね、一人暮らしを考えていたから、すぐに彼と同棲する事にしたのよ。でも…一緒に暮らして彼の正体がわかった」

「正体…?」

「表向きは会社経営してるって言ってたけど本当はヤクの売人…それが本職」

「…あの人が!?優しそうで…紳士って感じで…」

想像もつかない!
しかもヤクの売人って若い人の仕事だと思ってたし!

「彼の顧客は政治家や有名人、風俗系のオーナーとか…それを知っても、私は彼を愛してた。仕事で判断するんじゃなくて〈彼〉そのものが好きだったから…」
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