キミの螺旋

「抵抗とか…なかったの？」

「私に重要だったのは彼が愛してくれてるって事と私が愛してるって事…本職を知ったからって気持ちが変わる事もなかったし」

あたしがハルトの本職を知った時…抵抗は感じたと思う。
人間性を疑うってワケじゃなかったけど…正直どこかでイヤだとは思っていた。

自分が知らない相手の一部分を知った時…それを自分が受け入れられなかったら

それまで育ててきた愛情は無かったものになるのかな？
偽りだったと感じるのかな…

それも悲しいし…
何処かは本当に愛してたんだと思いたくて
あたしはそれを探した気がする。


「でもね…凛、彼は仕事がヤバくなって逃げたの」

「サラを置いて？」

「そうよ。連れて行かずに捨てられたんだと思った。その時、藤紀に出会って…一緒に住む事にしたの」

「藤紀と…付き合い始めたの…？」

「ううん、本当は…私達はそんな仲じゃないわ…お互い寂しさをまぎらわせる為に…そんな感じよ」

「そう…なんだ」

気になってた部分。
サラと藤紀の関係を聞いてホッとしてるあたしがいた。

「それからずっと…彼が連絡してくる事も会いに来る事もなかったのに…この間、私の前に現れたのよ…」