キミの螺旋
「じゃ…もしかして…あたしが部屋を教えちゃった日の事…?!」

「そぉ…ビックリしちゃった。居なくなった人がいきなり現れるんだもん」

「どうして突然…会いに来たの?」

あたしの問いかけにサラは、その時の事を思い出しながら答えた。

「…最後のお別れってやつかな…『本当のさよならだ』って言いにきたらしいわ。もうずっと前に別れたはずなのに今さら?って感じよね」

呆れた感じで笑いながら…サラは一つの涙をこぼした。

「サラ…まだ彼の事、好きなんだね…」

「…ずっと…今でも愛してたんだと思う。だって忘れられない…あんなに私が『私』でいられて、その私を愛してくれた人…

今まで生きてきた中であんなに自分が好きになれて素直に生きていられた時なんてない…

こんな身体の私…ずっと否定して生きてたのに、自分らしく生きる事を教えてくれた彼を忘れるなんてできなかった…

別れたって生きててくれれば、それだけで良かったのに…」

「…まさか」

「…死んだ…」

「どうして…!?あんな…普通に元気そうだった人が…?!」

サラと彼の間に何があったのか

あたしには想像もつかなかったけど

それがサラを死へと向かわせた…
< 246 / 398 >

この作品をシェア

pagetop