キミの螺旋

「久しぶりに会ったのにスゴいカミングアウトしてったのよ？実は妻子がいるって」

「えぇ？」

「それから…自分が病気で…もうすぐ死ぬって事も告白した」

「病気…？」

「白血病みたい…よくわからないけれど…会って話しをしてる途中で倒れて
…急いで病院へ運んだけれど…
…彼はあたしの目の前で死んでいった。…ヒドイ話しよね、アイツあたしに看取らせたのよ」

「サラに…最後だからサラに会いに行ったんだよ…そうでしょう？」

「…よくあんな状態で病院を抜け出したと思ったわ。
でも…そんな事されて嬉しいなんて思える!?

知らなければ私は生きていられた！私に現実を…一番残酷な恋愛の終わりを見せた挙句、彼は家族の元に帰っていったのよ？私には絶望しか残らなかった…

彼の身体すら手に入らない。彼と一緒になりたくて…でも二度と叶わないのなら…死んでしまおうと思った。
だから…」

リストカットした…

─そうなのね
それが理由なんだね…


サラは泣いてる顔を見られないように下を向き手で隠しながら…静かに涙を流していた。

サラの絶望があたしの中にも流れ込んでくるみたいで

気づくと、あたしも涙を流していた。