キミの螺旋
「うん…」

サラは顔を上げてあたしを見た。

「ずっと黙ってた事があって…でもサラにはずっと言いたいって思ってた」

「言いにくい事なら…別にいいよ?」

「ううん、平気…あのね…あたしが家出した理由が記憶喪失だった事の他に、もう一つあって…」

ちょっと緊張した。

こんな事を言って…ひかれたりしないか、とか一瞬でも頭をよぎる。

軽く深呼吸して、あたしは話しを続けた。

「一年くらいの間…あたしはお義父にレイプされ続けてたから…だから逃げたの…」

「ち…父親に?!」

「それでこの間…父親が会いに来ちゃって、逃げたんだけど…また捕まって…もう殺そうかと思った時に藤紀に助けてもらったの」

「何で言わないのよ!藤紀が助けてくれたから良かったものの…大変な事になってたかもしれないじゃない!!」

サラは予想通り怒った。

「う…ゴメンなさい」

「…あ、ま、まぁ…言いにくかったんだよね…怒ったりしてゴメン」

「サラが怒ってくれて…なんかホッとした。いつものサラだなぁって思ったし」

「なによ?私がいつも怒ってるみたいじゃないの」

「そうじゃなくて…心配してくれたんだって思って嬉しくなっちゃった」
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