キミの螺旋
サラは何度も念を押した。

そこまで言うのなら…多分ホントなんだろうな。そんなに疑い深いワケじゃないのに…何故かウソみたいだった。

こんなに自分にとって都合のいい展開なんてある?

神様はいつも意地悪なのに…藤紀と両想いになれちゃうの?

「藤紀に何か理由があって頼まれたのなら…人に言っちゃダメだったんでしょ?」

「んー…でも凛ならいいかなって。多分…藤紀も凛の事、好きだと思うし、凛なら藤紀を救えると思うの」

「救う…?」

「あ、と、特に理由はないよ。でも…藤紀って何だか寂しそうじゃない?」

「うん…そうかも」

見えないけれど藤紀の感じてる孤独…この時は、それがどれ程のものかなんてあたしには想像もつかなかった。

今は藤紀に素直に想いを告げられるって事の方が嬉しかった。

あれが夢で終わらないうちに…もう一度キスしたい。

「ありがとう…サラ」

「何でお礼なんか言うのよ?」

「何だか…彼氏のお母さんに交際のOKもらえたみたいなんだもん」

「なによ、それ!あんな息子なんていらないわよ!」

そう言って二人で笑った。

すごく気持ちが楽になったの。
胸につかえてるものが無くなったようだった。
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