キミの螺旋
気分がスッキリしたから、これから何が起こっても、何を見ても平気な気がしていた。

今日の最終の目的…それをサラに話そう。

「それとね、サラ…」

「ん?」

「あたしね…入院してる時に記憶が戻ったの」

「…えっ!?ほ…本当?!」

「うん。でも全部じゃなくて、一部だけ思い出せないんだけど。ほとんど思い出したの」

サラは思いっきり泣きながら言った。
あたしがビックリしちゃうくらい。

「良かった…良かったねぇ…これが本当の凛なんだね…」

「うん…やっと『自分』が存在してたんだなって思った。やっと見つけた宝物みたいだよ…」

サラにつられてあたしはまた泣いた。

周りから見たらおかしな二人に見えたと思う。
泣いたり笑ったり、また泣いたり…

でも今は感じた通りに感情を表に出していた。人目なんかどうでもいい…

「それでね、記憶を取り戻したけど…調べたい事があるの」

「調べる…?本当の家族の居場所とか…?」

「居場所…そうだね、居場所もわかればいいけど。自分の事も調べたいの。だからこれから図書館に付き合ってくれないかな?」

「…図書館?何があるの?」

「あたし…確かめたい事があるの」
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