キミの螺旋
事件は意外な展開を見せていた。

つまりはこういう事らしい…。

犯人は凶器とか遺留品や…指紋まで色々と残してくれていた。

それにより捜査は進み一ヶ月ほどで犯人が逮捕されるというスピード捜査だった。

だけど…その犯人が問題だった。

【有馬夫妻刺殺事件の容疑者として逮捕されたのは17歳の少年】

新聞にはさらに大きく取り上げられていた。

少年…17歳といえば今のあたしと同じ歳。
そんな人が何故!?

そんな事を考える間もなく、犯行理由を読んで愕然とした。


【誰でもいいから殺したかった】


    …?!


強盗でもない…
恨みでもなく

なんの理由もなく人の命を
あたしの両親の命を奪ったの…!?

あり得ない!!人の命を何だと思ってんの!?

そんな…本当にそう思う人がいるなんて信じられないけど、いわゆる快楽殺人みたいなもので…

あたしの人生をめちゃめちゃにしたの?!




「り…凛…もしかして…この事件が…この事件の被害者が凛の両親だっていうの!?」

「…そうだよ」

サラの問いかけにそう答えるのが精一杯だった。

あたしの頭の中は…すでに犯人の少年に復讐することでいっぱいだった…
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