キミの螺旋
「どんなに歳をとったって、どんなに幸せになれたとしたって絶対に赦せる日がくるなんて思えない…」

「…わかるよ。それでも私は凛に言い続ける…もう犯人は罰を与えられてるんだよ?もう何にもできない…」

「…」

サラの言ってる事を理解できないワケじゃないの。
でも自分の気持ちをごまかせない…キズを隠して治ったフリが出来るほど器用でもない。

こんなあたしを持て余していた。

「あたしだって…出来れば『終わった事』だって思いたいよ!でも…でもね、つい最近の出来事みたいに思えるの…!」

「凛…」

「忘れていた記憶はまるで昨日の事みたいに思えるの…あたしの中にまだ10歳の『凛』がいる…彼女が赦せないって思ってるみたい…!」

「それでも!絶対に犯人に復讐とか考えちゃダメ!」

「あたしは殺したいくらい犯人を憎んでるのよ?」

「それじゃ殺し合いになるだけよ!憎しみは憎しみしか生み出せない…!」

「わかる…!ちゃんとわかってる!でもイヤなの…ぅ…っくっ…サラぁ…今はムリだよぉ…っ…」

泣く事しかできない無力さに気づき
自分の弱さを知った。

泣いて楽になれるのならいくらでも泣くのに

池が出来るくらい泣くのに…
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