キミの螺旋
少し前…そう、サラと出会って一緒に住むようになってからオレは

真実をサラに話した。

サラだったら話してもいいと思えたから。

本当はルールの中に『他人に事実を話してはいけない』って項目があった。

だけどサラには告白した。

あまりにも緊張して、話したけど…もう以前のように接してくれないと思った。

普通そうだろ?
人間性を疑うような告白だ。
逆にオレが誰かにそんな事を告白されたら…

そう考えると、その後の事を想像するのは容易かった。

だけど話した…

サラは『信じられない』って顔でオレの顔をしばらく見ていた。

長い沈黙の後、
サラは笑って答えた。


『じゃあ神様にチャンスをもらったんだね』


って。
それ以降、事件の事を聞いてくる事も話題に出す事も
何故、人を殺したのかって事も、興味本位で聞いたりするような事もせずにサラは以前と変わりなく付き合ってくれた。

凛はどう思うだろう?

こんなオレを笑って許せるだろうか?

凛なら…受け入れてくれるような気がする。

こんなオレでも愛してくれるんじゃないかって。

…凛に真実を告白する勇気もないのに、オレは一人、そんな展開を期待して想像していた。
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