キミの螺旋
その夜も眠れなかった。
凛が泣いていると思うとオレは眠れなくなるんだ…。

そして日もすっかり明けた頃、ドアをノックする音が聞こえた。

『トーキ?起きてるの?朝ごはん食べる?』

サラだ…。いつの間に帰ってきたんだろ?
そう思いながらもオレはホッとしてドアを開けた。

「おはよ…食べるよ」

すると突然サラが笑い出した。

「ヒドイ顔!どーしたのよ」

「そんなにヒドイ?」

「うん…もしかして泣いた?」

「…凛は?」

「凛は散歩行ってくるって。…凛もヒドイ顔してたわよ?目が真っ赤だった…昨日何かあったの?」

オレは答えずにダイニングへ行き席についた。
オレの後をついてきて心配そうにオレをみているサラに悪いと思ってオレは今、考えてる事を話した。

「何もなかったよ…話しもしてない。でもオカシイよな、お互い勝手に泣いてたんだぜ」

「…どうして?トーキ…凛の事、好きなんでしょ?」

「好き…なんだろうけどダメなんだ」

「どうして?何か問題あるの?」

「問題だらけだろ?」

オレは呆れたように笑ってみせた。

「そんなの…恋愛くらい自由にしちゃダメなの?」

「遊びならいいと思うけどな」
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