キミの螺旋
多分どころか…間違いなく正気だと思った。

何故?
さっきまでは夢の中だったのに!

オレはハッキリ言ってどうすればいいのかわからなくなっていた。

ただ…彼女に質問するしかなかった。
こんなオレの状況を話したって受け入れられないだろうし、信じないと思う。

新手の詐欺か何かだと思うのが関の山だろう…。

「藤紀が死んだ事を覚えてるのか?」

「自分の息子の事なのよ!忘れるワケがないわ!だって…私が見つけたのよ!?藤紀が首を吊って死んでるトコロを…あの子はあの時、間違いなく天国へ行った!生きてるハズがないわ…!」

母親が…発見した?!

【藤紀】が死んだって事しか知らされてない…前後で何があったとかも
何も知らなかった。

母親が正気になっている今は、とりあえず謝るしかない。
それで落ち着くだろうか…?

「ごめんなさい…とりあえず病室に戻りませんか?」

オレが差し延べた手を払い、母親は興奮して言った。

「イヤよ!もうこんなトコロに居たくない!!怖いの!」

そう言って母親は病院の外に向かって走り出した。


…!!ヤバい!!


そう思って追いかけ、母親の姿を捉えた時




彼女は空を舞っていた…。
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