キミの螺旋
別に
一人でいる事なんてよくあるし、どぉってことないよ。

あたしは一人分の晩御飯を用意した。

カタチは悪いけどオムライス。
タマゴはテレビで見たように半熟オムレツ作ってライスの上にトロッと…

また今回も失敗したんだけどね。

上手く作れるようになりたいな…それでサラと藤紀を驚かせるの。

今夜は一人だけどさ。

またみんなで楽しく暮らせたらなって思う。そんなささやかな願いすら、もう叶わない事はわかってるけど…

不細工なオムライスを完食。お皿とかを洗って…一人でテレビを見ていたけど、何だか落ち着かない…

見ているようで内容なんか頭に入ってなかったテレビを消して、あたしは部屋を見渡した。

こんなに静かだったっけ?

こんなに広い部屋だったっけ?

あぁ…そっか。
寂しいって思うから余計なんだ。

あたしはホントに独りぼっちなんだよね…

あんまり両親の事も考えないようにしていたのに、独りだと余計な事ばかり考えちゃうよ…

…藤紀に会いたいな…

そう思って、あたしは藤紀の部屋に入った。

彼の部屋に勝手に入るのは…前までは平気だったのに

話しをしなくなってからは気まずくて入れなくなっていた。
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