キミの螺旋
藤紀と唇を重ね合わせる。

まるで薄いガラスに触れるみたいに、最初はそっと触れ合う。

壊れないってわかるとひたすら唇を求め合った。

何度も
何度も

キスする度にお互いの不安が消し去る気がした。

あたしから舌を絡ませた。

ゴメン…もうガマンできないの…

もう離さない
離したくない

これ以上
藤紀を好きにならずにはいられないから

「もっと好きになっていい…?」

「うん…オレも凛をもっと好きになっていいかな…?」

「うん!」

「これから何があっても凛を大切にする…オレ闘うから」

「あたしも…ずっと藤紀を守るからね…」



  あたし達は

   恋をする



始まったばかりの恋は宝物みたいだった。


だけど大切にする方法とか考える余裕もなく、ただ目の前にある幸せを逃したくなくて

あたし達はお互いの身体を求め合う。

「凛…凛…ゴメン…もう止まらない」

「あたしも…藤紀と同じ事考えてるよ…」

藤紀を知りたい。
全てを手に入れたいの。藤紀をあたしのものにしたい…


だけど突然、藤紀は手を止めて言った。

「そうなる前に…話しておきたい。オレの過去の事。オレは…」
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