キミの螺旋
「い、イヤ、何となく思いついただけ!女の子ももちろん欲しいよ。凛は?」

「子供はたくさん欲しいな…そしたら寂しくないよね?にぎやかな家庭を作りたい…」

ちょっと憧れてた。

あたしは一人っ子だし家族には恵まれなかったから…みんなで食べるご飯とか楽しいだろうなって思ってた。

藤紀と…そんな家庭を作るの。

藤紀と愛し合って、生まれてきた子供を愛して育てて…いつか年老いても

藤紀と手を繋いで街を歩くの。

いつか離ればなれになる日がきても

きっとまた来世で愛しあう

幸せな人生…ずっと夢見ていた。
彼となら叶えたいって思うの。

「凛…泣かないでくれよ…オレまで泣きたくなる」

「ゴメン…でも止まらない、変だよね。こんなに幸せなのに…藤紀…ずっと愛してる」

「オレも凛を愛し続けるよ…」


この時の
この言葉に偽りなんてなかった。

それは彼だって同じだと思う。

藤紀

幸せな夢を見せて
あたしは貴方を裏切らないから
藤紀も何があっても裏切らないで

何があっても


あたしを嫌いにならないで…





あたし達は眠れずに朝が来るまで身体を求め合った。
< 298 / 398 >

この作品をシェア

pagetop