キミの螺旋
あたしは急に気持ち悪くなってきた。

…信じられない!!

姪であるあたしに手を出していたアイツの神経を疑うよ!

それほどまでに血が近いとは思わなかったし、アイツと血が繋がってるなんて考えたくもなかった。

…子供の頃に会った事がなかったからだ。

なぜ伯父さんなのに会った記憶がないんだろう?

たくさんの疑問があって、あたしはお母さんに尋ねた。

「今のお父さんと…〔有馬〕のお父さんは仲良くなかったの?あたし会った事なかったから記憶が戻っても伯父さんだなんて気付かなかったみたい」

「うん…そうなの。気が合わなかったのか…お祖父さんとも仲良くなくてね、殆ど音信不通。だから私も凛に初めて会ったのは貴方が記憶喪失になってからだったわ」

「…そうなんだ。親族だからあたしを引き取ったの?」

「貴方のお母さんには兄妹がいなかったのもあるけど…お父さんが自分から『ウチで育てます』って凛を迎えに行ったのよ?」

「自分から?」

「私は子供に恵まれなかったから…だからだと思うの。私は凛がウチに来てくれて嬉しかった。でも、全然ダメね。ちゃんとした親にはなれなかったわ。ゴメンね…凛」

「お母さん…」
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