キミの螺旋
「私はね!彼がどんな人かわかってるから、どんな過去があったとしても彼は大丈夫って思ってたから止めなかったのよ!まさか…凛の両親を殺した犯人だなんて思ってもみなかったわ!」

「彼がどんな人かなんて…あたしだって知ってるつもりだったよ!でも理由もなく人が殺せる人なんだよ?まともじゃない!」

「違うわ!!」

「何が違うの!?」

「トーキは理由もなく人をキズつけるような人じゃないわ!」

「じゃあサラは理由を知ってるの?!あたしが…あの火事の時に聞いても言わなかったんだよ?」

ただ理由が知りたい…ずっと思ってた。

理由…あたしの両親を殺したくなる程の理由があるなんて考えたくなかった。

あの二人がそれほどまでに人に恨まれたりする理由がわからないし無かったと信じてる。

「…理由は本当に知らないの。聞いても答えてくれなかった」

「じゃあ!やっぱりそういう人だって事だよね?サラがかばう意味がわかんないよ!」

「だけど…絶対に理由があると思うよ!私はトーキの事も信じていたいよ!」

事件の真実を知りたい

彼の動機を知りたい

あたしも…そう


心のどこかでまだ
藤紀を信じたいって思ってたんだ…
< 343 / 398 >

この作品をシェア

pagetop