キミの螺旋
「でも現実は違った。裁判や判決が早かったのは…これは私の想像だけど、マスコミに納得させる為だと思う」
「どういう事?」
「世間があの事件で賑わっていたのを私もよく覚えている。そうしてマスコミに『この事件は終わった』って記事を書かせ、トーキを世間から隠したのよ」
「…」
「そして彼の再教育が始まった。更生させて世間に出す為…私はそう思ってたけど違った。彼は他人としてマインドコントロールを受けたらしいの」
「他人…に?」
「そう…【北川藤紀】という人物はもう何年も前に死んでるんだって…彼は【藤紀】の記憶を刷り込まれ【北川藤紀】になり変わったのよ」
「まさか…そんな事が…信じられない…!」
「私も信じられなかったけど、トーキが今、自由でいられる事を考えたら…信じるしかないわ」
サラの言う事はわかる。でもそんな事が可能なんだろうか…
でも…そしたら、彼は『誰』?
話しを聞いた途端、彼はあたしの知らない人になった。
「じゃ、あたしの両親を殺しただけじゃなくて…あたし騙されてたんだ?」
「そんなんじゃないわよ!」
「何が?だって【北川藤紀】って人は存在しないんでしょ?!本当の彼なんて知らないよ」
「どういう事?」
「世間があの事件で賑わっていたのを私もよく覚えている。そうしてマスコミに『この事件は終わった』って記事を書かせ、トーキを世間から隠したのよ」
「…」
「そして彼の再教育が始まった。更生させて世間に出す為…私はそう思ってたけど違った。彼は他人としてマインドコントロールを受けたらしいの」
「他人…に?」
「そう…【北川藤紀】という人物はもう何年も前に死んでるんだって…彼は【藤紀】の記憶を刷り込まれ【北川藤紀】になり変わったのよ」
「まさか…そんな事が…信じられない…!」
「私も信じられなかったけど、トーキが今、自由でいられる事を考えたら…信じるしかないわ」
サラの言う事はわかる。でもそんな事が可能なんだろうか…
でも…そしたら、彼は『誰』?
話しを聞いた途端、彼はあたしの知らない人になった。
「じゃ、あたしの両親を殺しただけじゃなくて…あたし騙されてたんだ?」
「そんなんじゃないわよ!」
「何が?だって【北川藤紀】って人は存在しないんでしょ?!本当の彼なんて知らないよ」