キミの螺旋
あたし達は自然と公園へ向かっていた。
いつの間にか、藤紀はあたしの腕を離していた。

広い公園だな…って思った。

時間も時間だし、日が暮れはじめるとすぐに太陽は一日の仕事を終えて沈み…いつの間にか月が空で光を放っていた。

まるであたし達みたいだね…

被害者と加害者

対極に位置していて
決して同じ空間で、その存在をアピールする事なんかできない…

よく考えてみれば最初からそうだった。

あたし達は住む世界がまるで違う…そう思ったじゃないの。

最初からこうなる運命だったんだね。

あたしは藤紀の少し後ろを・彼の背中を見ながら歩き、ふと…そう感じていた。

公園の広場のような場所…手前はステージのようになっていて、周りは観客席にでもなるような作りになっていた場所に出た。

まるでオペラでも始まるかのようなステージ。

演者のあたし達はひどく滑稽に見えるだろうなって思った。

──藤紀が低い声で言った。

「あんな場所で何してた?なんで…オレを呼び止めたんだよ?」

「…」

いざ、話そうと思ったのに言葉が出てこなかった。

何を話したらいいかわからない

「オレの正体がわかったんだ…復讐でもするつもり?」
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