キミの螺旋

どうしようもない現実

許すことも許されることも…不可能な気がする。

あたし達は…この世で最も愛してはいけない人と

めぐり逢い

愛し合ってしまった…

意味があったとは思えない。

お互いを憎んでいるのに
あたしのお腹には彼の子供がいる…

神様！
こんな残酷な仕打ちってないよ…！

どうしろって言うの？

殺せない…
でも、こんな…誰からも愛されない子供を産んだって───







「あの～…藤堂 凛さん、ですかぁ？」

「?!」

いきなり名前を呼ぶ声に驚いて、振り返ると

あたし達は数人のガラの悪そうな男達に囲まれていた。

こんな近くに人がいたのに気づかなかったなんて…！

しかも、あたしの名前を呼んだ。

「な、何なの!?」

質問しようとした時、あたしは男の一人に後ろから抱え上げられた。

「きゃあっ！何するの?!」

「何だ!?お前ら…っ」

藤紀が…多分、あたしを引き戻そうと手を伸ばした時

藤紀もまた、男に羽交い絞めされた。

「彼女に用があるんだ。ちょっと来てもらおうか」

そう言って逃れようと暴れてるあたしをドコかへ連れて行こうとした。

「どこに連れてく気だ!?離せよ!!」