キミの螺旋
──好きになるのに


それほど時間は必要なかった。

ハルトはメールを送ればちゃんと返してくれる。
電話に出られなくても後できちんと電話してくれてた。

それだけでも誠実な人柄がわかる。

話してても気が合ったし。だんだんハルトがどんな人なのかわかってきた。

純粋で一途な男…

一緒にいて安心できる頼りになる男

あたしの過去に何があったとかは言ってないんだけど、ハルトなら受け止めてもらえる気がしていた…


もちろん、あたしの悩みを解決してもらおうとは思わない。

だけど

ただ一緒にいて…安らげる場所が欲しい。
誰かに愛されて守られて…愛したい



仕事でサラと控室で二人だけになったトキ

あたしはサラに自分の気持ちを教えた。

「好きな人が…出来たみたい」

「凛に!?良かったじゃないの!もう付き合ってるの?!」

「ううん」

「すぐに告白しなきゃ!」

サラはやっぱり自分の事のように喜んでくれた。
それがあたしには嬉しくて、些細な事でもサラに聞いてもらいたいって思うの。

「それが…あたし誰かと付き合った事なくって。告白した事もされた事もないの…どんな風に伝えればいいの?」
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