キミの螺旋
深夜とはいえ、コンビニくらいあるだろう。

そこでだいたいの場所を聞けば何とかなるんじゃないかと思った。

問題は…オレの服が血で汚れていた事。
上着をはおる事で、少しはごまかせるだろう。

幸い顔は、あまり殴られてなかった。
身体は多分、アザだらけだ。

オレはそこら中を、とにかく歩き、まずはコンビニを探した。

30分くらい経っただろうか?

ようやく明るい場所が見えて、近寄ると
目的地のコンビニだった。

手際が悪いな…
時間ばかりが経過してる気がして焦るけど仕方ない。

これが一番の近道だと自分に言い聞かせ、少し緊張しながらコンビニ店員に、奴のオフィスまでの道を聞いてみた。

コンビニ店員は、オフィスまではわからなかったが、その住所までのだいたいの道のりを親切に教えてくれた。

「ありがとう、助かりました」

そう言って…悪いとは思ったけど何も買わずに出てきた。

金もないし…

怪しまれたかな?
でもしょうがない。

気をとりなおして最終目的地へと向かった。

結構、徒歩だと時間がかかりそうだ…。

もはや走れる足ではなかった。
それでも確実に。一歩一歩、前に進む。



───凛の元へ…
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