キミの螺旋
ただ、それだけ。

子供を守りたかったかどうかはわからない…

だけど彼に愛された場所を誰にも汚されたくないの…

どうして?

『…自分でわかってるよね?』

わかってるけど認めたくないの。

パパとママが怨んでる気がして、心の奥底にしまいこんだ感情。

──パパ
──ママ
ごめんなさい…


彼を許せないと思ってる気持ちは本物なの


だけど──…






彼を許したいって、許せるんじゃないかなって思ってる気持ちも本物なの!


つい、そんな風に考えちゃう

そんな自分が悔しいし許せないよ…!

元通りになるワケがない

前と同じように愛せるワケがないとわかってるのに

──愛したいと願う自分がいるなんて

おかしいよね?
バカげてるって怒ってるから…

神様はあたしをこんな目に遭わすの?


藤紀…もう逢えないね

もう何もかも終わらせたいの…苦しいよ。

もうどうなってもいい。これ以上、怖い事なんかない

もうこれ以上、逃げられないのなら──





「はぁ…はぁ…っ」


ずっと怖くて無我夢中で抵抗し続けた。

義父は




血まみれで横たわり



あたしの手から
壊れた携帯が離れ落ちた。
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