キミの螺旋
──どくん

──どくん

──どくん


あぁ、やっと、あたし生まれるんだ。
ママのお腹の中も好きだけど

外はもっと楽しいよね?

狭い狭い道が少しずつ開いてきて

あたしは自然と頭から外へ出た。

───眩しい!

そう思って、声を出す為に呼吸をした。

生まれて初めての空気。吐き出すと同時に産声をあげた。

「おめでとうございます!村上さん!生まれましたよ~今度は女の子です!」

その声と同時に、あたしは持ち上げられママに抱かれた。


「蓮…!」

「ミサ!頑張ったな!やっぱり女の子だって!」

「うぇぇぇん…嬉しい…嬉しいよ…!」

「オレもめちゃめちゃ嬉しい…!なぁ、決めてあったんだろ?そろそろ教えてくれない?この『双子』ちゃんの名前」

「お兄ちゃんが『りく』で妹が『りん』ってどうかな」

「へぇ!いいじゃん!はじめまして、りん、パパだよぉ」

あたし…りんっていう名前なのね?

それから温かいお湯で身体を洗われベッドに寝かされた。

隣には双子のお兄ちゃんが眠ってる…







──りく…


今度こそ
思う存分愛し合えるね










  『キミの螺旋』

    *END*
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