キミの螺旋
勢いよく返事したのはいいけれど…

何を買うんだろ?


ハルトの後をついて行って到着した店は…とあるブランド店だった。

「…もしかして…ココ?」

「うん」

そう言ってハルトは中に入って行った。

まるでコンビニにでも入るような気軽さで…


中は静かで…落ち着いた雰囲気の店員さんが「いらっしゃいませ」って声をかけてくる。


何も知らないあたしはその度に頭を下げていた。

並んでる服はみんなキレイにディスプレイされていて…その中の一つの値札をそっと見て


あたしは気絶するかと思った!


服が数万円!?


あたしの中の高い服と言えば…5800円くらいだ。

あまりのケタ違いに驚きハルトの方を見ると

彼はスーツを選んでいた。
店員さんと仲良さそうにトークしてるトコを見ると…やっぱりこの店は初めてじゃないって事がわかる。

今、気付いてハルトの着ているスーツをよく見ると…やはりココの服らしかった。

「決めた!今日はコレにするな」

「ありがとうございます」

そう言ってハルトは
10万円するスーツをポンっと現金で買っていた…。


ハルトって…何してる人なの?
何にも知らない事に今気付いた…
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