キミの螺旋
もう少し一緒に居られると思ったのに…


カフェでお茶をしていたらハルトが伝票を持って席を立った。

「ゴメン、凛。そろそろ行かないとなんだ」

「…そっか」


早い…早すぎるよ。
待ち合わせして会って…何時間一緒に居られた?

今夜はずっと一緒に過ごせると思っていた分ガッカリも大きかった


「じゃあね。またメールするから」

「ん…」

ハルトはあたしに
『さよなら』
のキスをした。

いつもは安心するキスなのに
今日は寂しくなるね…



ハルトと別れて、家に帰ろうと思った。
でも泊まるって言ったのに…帰ったらミカちゃんがビックリするかな?

そう思ってミカちゃんに電話した。

「凛?どしたの、デートは?」

「実は今夜泊まれなくなっちゃって…帰っても平気かなぁ?」

「えっ、あ…う、うん、ちょっと待ってて」

そう言ってミカちゃんは受話器のマイク部を手で塞いだみたい。

奥の方でこもった会話が聞こえてきた…

(ねぇ!やっぱり今夜はダメよ)
(あれっ…マズイの?)


誰か…来てるんだ。

「ミ、ミカちゃん!やっぱいいや、急に遊びに行きたくなっちゃった!ゴメン、友達と遊びに行くから今夜は帰らないね」
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