キミの螺旋
「えっ…そう、わかった。気をつけてね」

「うん。ゴメンね」

そして電話を切った


そのままサラに電話を入れる。

だけど…何度コールしてもサラは出なかった

携帯…鳴ってるのに気付かないのかも

そう思って、あたしは藤紀に電話してみた。

携帯聞いておいて良かった。

すぐに藤紀は電話に出てくれた。

「…もしもし?」

「凛だけど…サラ居る?さっきから携帯鳴らしてるんだけど出なくて…」

「ああ…サラなら実家に帰ってるよ」

「…え!?実家?」


ヘンな感じがした。
サラは…親と仲良いのかな?

昔、家出したって言ってたけど…その後わかりあえたのだろうか?

多分、家出した理由はサラの病気についてだと思っていた。
だけど、それを聞く気はなかったし…

あたしの憶測だったけれど。だから実家に帰ってるって聞いて違和感を感じたの。

「そっか…居ないんだ…」

そしてあたしは途方にくれてしまった。

『行く場所がない』

どうしようもなく寂しくなった。

「…ウチ来れば?」

藤紀の言葉に…あたしは一瞬、ホッして…慌て断る。

「え?…ダメだよ!」

「行くトコないんだろ?とりあえずおいでよ、ね?」
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