キミの螺旋
「弁護士?!スゴーイ…藤紀ってメチャメチャ頭いいんだ」

「そんな事ないけどな。でも凛が高校行きたくなったら家庭教師してあげるよ」

「えっ…うーん…高校ねぇ…」

「今は行く気がなくても将来行きたくなるかもよ?大検とかもあるし」

「うん。もしそうなったらお願いするね」

「そうだね」

そんな会話をしながらテーブルの上を片付けていく。

ふと本の内容が気になった。

「どういう勉強してたの?」

「ああ、それ…ここ10年くらいの殺人事件とその裁判について自分なりに調べていたんだ」

「へぇ…」



殺人事件…


何か少し気になった。


興味ある…気がする

「はい、できたよ」

「あ、うん」

開きかけた本を閉じてまとめて隣の空いている椅子に置いた。

藤紀が作ってくれたのはペペロンチーノ。それとサラダ。

「おいし~い!」

「そっか。良かった」

「料理もうまいし勉強もできて…スゴいな。あたしなんて何にもできないし」

「そんな事ないよ。絶対出来る事あるから、そんな風に考えちゃダメだよ」

「…ん」

あたしっていつもみんなに励まされてる。
みんな大人で

つくづく
自分が子供なんだって思った。
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