キミの螺旋
ここまで記憶を読み進めていって、ようやく山本先生の質問の意味がわかった。


だけど…やっぱり当然のように疑問が湧いてきた。


『まだ体験した事ないんだから…こんなの必要ないんじゃないかな?』

って。
だから一応、質問してみた。
すると先生は…あり得ない回答をした。


「仕方ないんだよ。どうしても必要だったから。だからお前には今から体験してもらうからな」

「…は?」

言ってる意味が全然ワカンナイんですけど?

そんな返事がくるなんて全く予想もしてなかったし!

おれにコトバの意味を考えるヒマを与える事なく、先生は部屋に一人の女を入れた。

「彼女と、してもらうから」

そう言うと山本先生は部屋を出ようとした。

おれは慌てて引き止めた。

「イヤ、ちょっと待ってくれよ…本気で言ってんのか?」

「今まで冗談なんか言った事ないだろ?彼女に任せておけば大丈夫だから。なぁに、カメラは切っておくよ」

「そんな問題じゃ…!」

おれの抗議なんかお構い無しに先生はさっさと部屋を出て行き、
あり得ない方向へと事態は進んでいく…


元々おれの待遇があり得ないんだけど。



おれは恐る恐る彼女を見た。
< 73 / 398 >

この作品をシェア

pagetop