キミの螺旋
翌日

夜の10時にハルトと会う約束をした。

今日はお店も休みだったから、ちょうど良かったって思った。

ハルトは今日も仕事だったのかな?
だから会う時間は遅くになったみたいだ。

あたしはドキドキしながら待ち合わせ場所でハルトを待った。

ドキドキっていうか…心配だったんだよね。

たった数日
ハルトに会わないだけで…まるで何ヶ月も会わなかったみたい。

だけど遠くからでも、こちらへ歩いてくるハルトを
あたしはすぐに見つける事ができた。


どうしてかな…?

好きな人の姿は、どんなに人が大勢いたって見つけられるの。

たった一人

彼から目をそらせない


どれくらい彼の事を好きかって気づいてしまった

…ハルト!!

あたしは声をかけるのも忘れるくらい…顔を見れたのが、会えたのが嬉しくて

ハルトの方へと走り出した。



あと5㎝
ハルトに触れる為に伸ばした手を

彼はあたしの腕を掴み、自分の方に引き寄せると

あたしを抱きしめた。

「…!!」

「凛…この前はゴメン」

「あたしの方こそゴメンね…」


それまで悩んでいた事なんかすっかり忘れちゃって

あたしは素直になっていた。
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