キミの螺旋
いきなり名前を呼ばれて驚いて振り返った。

誰!?
こんな所で
しかもこんな時間に?

髪は短く金髪で、ちょっとギャル入ってる女のコが立っていた。
あたしはすぐに誰だかわかった。


「い…井上…?」

「うん!やっぱ藤堂だ!どっかで聞いた声だなぁって思ったのよね」

「こんな場所で会うと思わなかったからビックリしたよ」

「そうだよね~久しぶりだし」

彼女は同級生だった。

だけどあたしが住んでいた街からは離れていたし…だから余計驚いたの。

久しぶりに同級生に会ったけど…あたしは話す気がなくて、むしろ早くどこかに行ってほしいって思った。

このまま話しをすれば………







「ねぇ?学校を休学して何してんの?家出してるって噂になってたけど、マジで?」


「…え…?」


休…学…?

退学ではなくて?

親が学校に休学の手続きをとったのだろうか?

自分の今の立場に驚いた。…知らなかった。


「彼、藤堂の彼氏?!めっちゃカッコイイじゃん!?」

「うん…そう」

「じゃもしかして…家出ってか駆け落ちしてるとか?!」



「あたしは今…自分探しの旅に出てるの」
< 90 / 398 >

この作品をシェア

pagetop