キミの螺旋
「ふぅん…何か意外なような、そうでもないような話だね」

「そうかな?でも彼女とはそれっきりだったし…もう会う事もないしね」


ハルトが過去の…初めての彼女を思い出しながら話をしている。

もう終わった事でも
…彼の中では

多分忘れられない出来事だったんだろうな…って思った。

男にとって初めての人って忘れられないものなの?

少しだけ…引っかかった。


ハルトの時間を進めてみる為に、あたしは話を変えた。

…初めての人の事はもういいから。

「ハルトは大学行ったの?」

「行くには行ったんだけどさ、俺一年遅れで進学したんだよね」

「一年遅れ?」

「高校の時に一年休学して…アメリカ行ってたからさ」

「留学?!スゴいね!じゃ英語バッチリ!?」

「簡単な会話ならね」

「そ~なんだ!尊敬しちゃうな…」


今夜は知らないハルトを知る事ができて良かった…!

今までのハルトとは、イメージ変わった気がする。

なんて言うかな…
少しバリアが無くなったような…
表現が難しいんだけど

あたしの中で新しいハルトが顔をのぞかせた。

そして宣言通り
あたし達は朝まで語り明かした。




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