キミの螺旋
一週間に一度

あれから何度か催眠療法をする為に平田先生の所を訪れたけど…

全く記憶は甦らない…

平田先生は

「あんまり気負うもんじゃないよ、何か原因があるはずだ。…記憶を戻したくない何か・がね…」

そう言ってたけど
あたしは内心焦っていた。

…あたしの心が
子供の頃の記憶を拒否してるなら…

もう思い出せないんじゃないかって思うから



…どうしてなの…?




それでも落ち込むあたしに嬉しい出来事があった。

ある夜、ハルトとデートしていたあたし。

食事が終わって

「ハルト、この後は?」

って聞いた。

いつもならね、彼が帰るって言うか…時間があるならホテルでえっちするのが最近のパターンだった。

今夜もそうだと思ってたんだけど…

「今夜は…俺ん家行こうか」





「…え?!」



一瞬、固まっちゃった

「ハルト…今、家に行くって言った!?」

「うん。今夜は大丈夫だから…ヤダ?」

「や…イヤなワケないじゃない!!嬉しい…嬉しいよ」

だってあんなに拒否られてたのに…!
いきなり大丈夫なんて!


そしてあたしは

ハルトと付き合ってから初めて家に連れてってもらったの。
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