オフィス・ムーン
「南野さん、

資料まだかしら?」

あのヒトの声。

「もうすぐです。」

私は最終チェックをして

あのヒトに資料を渡した。

席に戻り

私は別の仕事に

取り掛かりながらも

あのヒトから

どんな言葉が

発せられるのか?と、

気が気じゃなかった。

「南野さん」

来た…… 

肩がビクってなる。

「はい。」

「来週のプレゼンの資料、

OKよ。後は、何時もの

ように

人数を確認して・・・」

彼女らしい早口で指示が

続く。

私は聞き洩らさないよう

にメモを取る。

「・・・で、今日は、伊東さんと来週のプレゼン

の準備を手伝うように。

あ、それから、

午後の会食の

お茶出しお願いするわね

。」

「お茶出しですか?」

「そうよ。何か?」

「解りました。」


< 15 / 103 >

この作品をシェア

pagetop