オフィス・ムーン
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何だか 今日の有森は

つまらない男に見える。

まるでコンパの男達みたいだ。

お世辞言う 有森なんか

 つまらない。


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「有森君、わざわざ

お世辞いいに来たの?」

 「仕事の件だったん

ですけど、

やっぱり明日でいいです。

時間外ですから。

お話中にすみません。

邪魔しちゃいましたね。」

 「あら、私なら構わないわよ。

もう帰るところだから。

じゃあね、遥また明日ね。」

「彩…あ、明日ね。」

絶対に彩は何か

勘繰ったに違いない。

「香坂さん、

気を悪くしちゃいましたかね。」

「彩は、いつもあんな感じなの。

何?彩ともっと話したかった?」

「何ですか?別に僕は、

彩さん狙いじゃないですよ。」

「あら、その割にお世辞

言ってたわよね。」

「からかわないで下さいよ。

お世辞じゃないですよ。

だって香坂さんと南野さん

本当に美人ですから。」

「はい、はい…」

「あ、実は今度ちょっと

僕と三上先輩がしてる仕事を

南野さんに

手伝ってもらえないかと

思ってるんですが。」

「私?私に出来る

仕事ならもちろん喜んで。

でも課長が何て

言うかしら。」


 

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