オフィス・ムーン
「何度かですって?」
「しーっ、声でかいよ」 「とにかくやましい事は絶対にないんだ」
「やましいことないのに隠してたんだ?」
「だから、後で話そう」 「…」
遥は何も言わずに行ってしまった。
「…遥、私」
「話したくない」
遥はそれだけ言って立ち去った。
昼休み遥が一人事務所に居る所に有森がやってきた。
「いい加減にしろよ、子供みたいにすねて話しも出来ないのか」
「…」
「今夜、うちに行くから。ちゃんと話しょう。もし、今夜ちゃんと聞かないなら、もうこれきりだ」
有森の怒った顔
∽∽∽∽∽∽
有森は、遥のうちにやってきた。
遥は何も言わずに有森を部屋にあげた。
「…彩さんと何でもないんだよ。本当に。この前 一緒に行ったレストランのオーナーシェフが僕の先輩なんだけど、いつだったか、遥と僕が付き合う少し前、僕とその先輩が飲んでたら、彩さんともう一人、女の子がそのbarで飲んでて、もちろん偶然だよ。で 成り行きで4人で飲んだんだ。そしたら彩さんと先輩がなんか意気投合しちゃって…翌日 彩さんに頼まれて柄にもなくキューピッド役をしてるだけなんだよ。」
「何で内緒にしてたの」 「彩さんが上手くいくまて誰にも言わないで欲しいって…こうなったから彩さんに許しもらった。だから、遥に話すけど、彩さん土日の昼間あの店で先輩の手伝いしてる。彼女も本気みたい。だからあそこ電車も通ってないし少し遠いから、僕が母の病院に行く時についでだから送ってたんだ。…だから毎週彼女を乗せてた。でもそれだけ。」
「携帯のストラップが同じだったり、同じ店の話ししたり、変だと思った。だけど信じたかったの。見ちゃったら許せなかった…」
「携帯のストラップ?あ、これは、あの店の開店記念に先輩が親しい仲間に配った物なんだ。彼女も先輩からもらったんだよ。遥が嫌ならこんなの外すよ」
「…」
「この前食事した時に先輩に遥の事を紹介したかったんだけど、まだ付き合ってなかったし、あの日予約いっぱいで忙しそうだったから…紹介しなかったんだ」
「やましい事が無いのはわかったけど、隠し事されてたのは嫌な感じ」
「僕だって、君が話しを聞こうともしなかった事は頭に来てる」
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