自分という闇から救ってくれたのはあなたでした。
そこには土鍋があり、その中には
卵の雑炊が、美しく火照っていた。

「どうぞ!」

愛のその一言で、それぞれ取り皿に卵雑炊を盛っていく。

「うめぇ。」

蘭はこはなに皿をとってから、自分の口にそれを運んだ。

俺も食べようと思い、卵雑炊を一口盛ったメレンゲを口に運び込もうとしたが、
カタンっと
何かが落ちた様な音がしてその音の正体は
こはなが自分の取り分を取ろうとメレンゲを持ったが落としてしまった様だった。

よく見ると指にあるはずの爪が全て剥ぎ取られていた。
痛くて持てないのだ。

「大丈夫?雑炊とるから、蘭に食べさせてもらいな?」

愛が優しく行った言葉にこはなはイマイチ反応を示さなかった。
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