自分という闇から救ってくれたのはあなたでした。
蘭side

俺は、桜 蘭。

女っぽい名前してるけど男だ。

俺は、暴走族総長で、いつも通り倉庫に向かっている途中だった。

雨は降ってるしバイクは
倉庫に置きっぱなので、仕方なく歩いて
倉庫に向かう事にした。

のだが、公園に倒れてる奴がいた。
ほっとくわけにもいかず、取り敢えず声をかけた。

「おい。起きろ。こんなとこで寝てたら風邪引くぞ。てか土の上じゃ汚ねぇだろうが。」

その声に、反応したのかゆっくりと起きたが俺はその顔を見て息をするのを忘れ、ジッと見つめた。

そいつは、目が朝露に濡れた菖蒲の様な、瑞々しい紫をしていた。

美しい。

本能的にそう思わざるを得なかった。

「ごめんなさい。じゃ、までした、か?」

俺は少しずれているこいつの返答にふっと笑みが零れた。

pppppppppp

その音は俺の携帯から発せられたものだった。

その音にそいつは少し震えていたので出る事はせず、切った。

俺は冬にしてはおかしいぐらいの薄着をしていたそいつに俺の上着を掛けてやった。

そして、姫抱きした。

「ひゃ。な、なにを!」

こいつ。

可愛い声出しやがる。


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