自分という闇から救ってくれたのはあなたでした。
蘭side

総合医療病院へ着くと、そのまま俺たちは
愛について行った。

幸い運び込まれた病院が、愛の父さんが院長なので少なからず勝手がわかる。

そして、直ぐさま病室へと通された。

しかし、其処にあったのは以前の面影などまるでない様な遥であった。

「来るのを待ってたよ。こっちおいでね。」

優しそうな白衣の男が手招きをしている。

この男は愛の兄の瑠衣(るい)。

「まず、状態から説明するね。見た目よりは全然大丈夫だから。肋骨が2本折れてる。で、一本はひび。足は左の足首の少し上辺りかな?折れてる。で、一番気になるのは、頭を強く打っていることだよ。頭部の腫れが引いたら検査するけど多分大丈夫だから。後は本人次第だね。」

俺はこの言葉一つ一つに釘付けになっていてとてもじゃないが全てを同時に受け入れることは無理な気がした。

皆も同様の様だった。

そして、

この怒りを何処へ向けていいのか。

この悲しみを何処へ向けていいのか。

分からなかった。

そして、一番最初に耐えられなくなったのは、渚だった。

「お前が。お前さえいなかったら!!!
こはな。お前がきてから遥の様子がどんどんおかしくなってったんだ。お前なんか!いなくなっちまえばいいんだ!!!!」

こはなの一番苦手としたことを渚がした。

「ごめんなさい。ごめな、さい。な、殴らないで。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめん、なさい。…ごめ」

それだけ、仲間を傷つけられるのは俺たちにとって耐えれるものではない痛みを与えられるものだった。

「渚。言い過ぎだ。ただ、こはながきてから遥かの様子が可笑しくなってったのは、認めざるおえない。」

こはなに向けられる視線はいいものではなくなった。

それが余計に小花を傷つけたのだ。
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