自分という闇から救ってくれたのはあなたでした。
凛side

「僕サイテーだ。分かってたのに。なんであんなことしちゃったんだろ。イイコで居なきゃいけないのに。」

渚が変なループに入り始めた。

渚は、世間でいうイイトコの坊ちゃんで、愛の家には家族愛があるが、渚の家は只々稼得を求めてのものだったので、それが今でも続いている渚は相当なストレスだった筈だ。

「渚。大丈夫。お前は自分が悪いって自分でちゃんとわかってるだろ?お前は悪い子じゃないよ。」

蘭のこういう時の落ち着く声と的確な言葉は俺たちにとってかけがえのないものだ。

「うん。明日謝りに行く。こはなにちゃんに…!」

俺はそれを聞いてから、愛に聞いてみた。

「遥は、大丈夫、なの?」

それは、どうも禁句だったらしく、沈黙が部屋を襲った。

「大丈夫だよ。大丈夫…。るぃにぃが主治医だし。大丈夫…。」

愛は自分に言い聞かせるように、そう、呟いた。

「そ、だね。こはなにも、
謝らないとだし。」

俺はその沈黙を素直に受け止めた。

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