自分という闇から救ってくれたのはあなたでした。
蘭side

俺たちは買い物を終え、思った以上に買い物が多く、幹部補佐の椿(つばき)が車で迎えに来るとのことだった。

「だから言ったじゃんか。
買いすぎだって。」

凛が愛に、ブツブツと小言を言っている。

「うるさいですよ。」

愛が凛を少し睨むと、凛の小言は止んだ。

珍しい光景だった。

愛は普段自分のしたことで感情移入するやつではないのだ。

少し重たい空気が流れる。

「ね、ねぇ。椿の彼女可愛んだよ!」

無理やり渚が変えた話題は、椿の彼女のことだった。

「はぁ?」

思わずその一言が漏れた。

話題を変えるにも、それはないだろうと、言いたかったのだ。

「だーかーら!椿の彼女!めっちゃ可愛いんだって!ちっこくて!」

何が言いたいのか。

「こはなと友達になれたらいいのにな。って思ってんだけど…。あした連れて行こーよ!椿の彼女。」

何を言い出したかと思えば、大体勝手にそんな俺が拾った女が倒れたから病院に来てその女と友達になってくれって言うのか。

無理だろ。

「いや、急におかしいでしょ。」

NICE!ツッコミだ!凛!

俺はそう思わざると得なかった。

「大丈夫だって!彼女とびきり優しいらしいから!」

なにが大丈夫なんだ!?

そうこう言ってるうちに、椿の運転した車が俺たちの横に到着した。

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