【短】恋してハニー
ある意味今日までさ、俺の言うこと…願いを聞いてくれたから…
「彩奈ちゃんは何が願いある?」
そう。
今度は俺が叶えてやるよ。
叶えられるものなら…
すると彩奈ちゃんは少し俯いて、それから俺をチラッと見上げてまた俯いた。
「本当の彼氏が欲しいな…」
本当の彼氏…
「私ね…っ」
彩奈ちゃんが何か言おうとするのをわざと止めた。
だって聞きたくない。
彩奈ちゃんの口から“好きな人が出来たの”だなんて。
「じゃぁ、俺が紹介してやるよ。どんなやつがいい?」
平然を装って、平気なふりして、思ってもいないことを言った。