私はきっと、明日もあなたに逢いにいく
ここに来ることはきっともうない。
だけどそれをわざわざ言う必要はないし、そもそもおばあさんの言葉は社交辞令だろう。
それに素直に返事をするのも野暮ってもんだ。
「本当に突然お邪魔しました」
急な訪問にも嫌な顔一つせず、ご飯まで食べさせてくれたおばあさんに挨拶をして朔の家を後にする。
太陽はすっかり高い位置に移動していて、だけどやっぱり外は全然寒い。
その中を目的地もなくダラダラと歩き進める。
来るときは声をかけてきたお年寄りたちは畑仕事を終えたのかいまは外にはいなかった。
歩いていると誰かしらとすれ違いはしたけど誰も他人で、言葉を交わすことはなかった。